団信について

2024年02月27日

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 住宅ローンを利用する際に必ず加入を要する団体信用生命保険(通称:団信 以下団信と表記します)。


 申込人に万一があった際に残債を保証する、との説明を借入時に受けている方が殆どかと思われますが、
同時にそういうものなのか、とあまり加入に疑問を抱かなかった方も多いのではないでしょうか?


 団信の一番の目的は、金融機関の説明の通り、借入れ人の保護です。


 一般的に住宅ローンの返済は主人の収入を原資として行う事が考えられますから、その主人に万が一があると返済計画は崩れます。
この時、残った家族が路頭に迷わないよう、団信が住宅ローンの残債を清算してくれます。


 とても頼りになる団信ですが、よく考えると疑問点も出てくると思います。

生命保険であるなら保険料は必要ではないのか。


 団信加入の説明時、保険料は掛からない旨の説明を受けているでしょう。
最近では住宅ローン金利の上乗せを要件に、補償範囲および内容の充実を図るものもありますが、
基本の団信のみであれば手出しや金利の付加もありません。


 一般の生命保険であれば保険料が必須であるのに、団信では掛からないのはどうしてでしょうか?
答えは、住宅ローンの金利の中に既に組み込まれているから、です。
 ではそれなら団信に加入しない事を要件に金利を下げて貰う事は可能なのでしょうか。
答えは、出来ない、です。


 住宅ローン返済の主収入を得ている方がいなくなってしまうと、その返済が滞る可能性は高まりますし、
多額の残債が回収出来ない事になると金融機関も大打撃ですから、団信の加入は借入れ人の保護に加え
金融機関の保護の意味も含まれています。


 そのため金融機関はほぼ団信の加入義務を住宅ローン利用の条件としており、加入しないので金利に含まれる
保険料分は下げられないか、という交渉自体が土台に上がりません。
つまり団信に加入出来ないと住宅ローンを借りる事が出来ない、という事になります。


 ちなみにフラット35の場合、団信加入を義務要件としていないため、無しで借り入れる事は可能です。
またその場合、金利が引き下がります。


 団信加入が義務とは言え、従前から加入の一般生命保険が住宅ローン相当の金額であるから、その要件で借りられないか。


 以前、住宅ローンの審査の際、借入時年齢も重ねられていたため、体調面が引っ掛かってしまい団信加入が出来ないお客様がいました。
この方、以前から加入している生命保険が借入れ額をカバーしており、これを要件に借入れを受ける事が出来ました。


 ただ、この事例も相当前の出来事であり、その方は生命保険の他、退職金の見通し等、収入面に余裕が見られる方でした。
事例としては異例と言えるケースです。


 そもそも一般の生命保険は、掛けている方に万一があった際に家族の生活費用を補填する目的のものです。
住宅ローンの支払いに保険料が回せたとしても、その後の生活が破綻してしまっては意味がありません。
この様な倫理的な意味もあり、一般の生命保険の保険料を当てにした貸し出しは基本的に受け付けられません。