貸出し時の注意点
2024年03月19日
住宅の賃貸契約は、法律的に借りた側が優遇されています。
貸した側の都合で出て行ってくれと言っても、借主が承諾しなければ退去させる事は出来ません。
もし金融機関に無断で自宅を賃貸に出していた場合、それが発覚すると金融機関は直ちに自宅へ戻るよう通告してきます。
一方、借主は希望があれば居住を続ける権利を主張出来ますから、直ぐに自宅に戻れない事態となると、金融機関からは住宅ローンの一括返済の対象とみなされてしまいます。
事前に賃貸を銀行に相談していた場合でも、貸主の都合で戻って来る事に対して、借主の理解を得るためには転居先を斡旋する必要があるでしょう。
転居先を提案するだけでなく、新たな賃貸契約で掛かる費用や引っ越し費用、数カ月分の生活費を求められる事もあります。
一括返済を避けるためとは言え、その費用は数十万単位に上りますから、安易に貸し出したばかりに後悔する事にもなりかねません。
このような場合が想定される時は、定期借家契約で賃貸を行うと良いでしょう。
定期借家契約とは、賃貸期間を予め決めて貸し出す方法で、契約時点で1年や2年などで賃貸期間は終了しますよ、と借主と取り決めておく事が出来る契約です。
借主も期間内で退去する事を承諾していますから、転居に掛かる費用を貸主が準備する必要もありません。
また金融機関にも契約する賃貸の内容が、定期借家契約である事を通知しておきましょう。
住宅ローン利用時の自宅賃貸は基本的には禁止ですが、なぜ貸し出す事となったのか、
どの様な形態で貸し出すのか、しっかりと整理し伝える事で金融機関も承諾してくれるのです。
決して、分からないだろう、ばれないだろうと軽率に行わないようにして下さい。